理事長挨拶

学会(学協会)は、所属する研究者が、「何を考えて研究し、どんな成果を得たか」をタイミング良く発信していかなければなりません。

また、公的な支援を受けている研究者は成果を、その大小によらず、国内外に発表していく義務があります。研究し、成果を得て、正確に発表するプロセスを通じて、大学院生をはじめ若い研究者が育っていきます。

発表するメディアとして、理工系ではNature、Science、Cell など、欧米の論文誌・学会誌が中心的な役割を果たしています。しかし、スペースの問題があり、これらの論文誌に誰もが発表することは不可能です。研究者は国内の学会誌(学協会誌)も大いに活用して、国際的に発表しなければいけません。日本発の成果が、後に大きく発展した例はいくつもあります。日本の学協会誌も学問のグローバルなコミュニティーを形成しています。

このような観点から、学会誌刊行センターは学協会誌の発行を、お手伝いすることを業務としています。論文審査に関する事務、学協会誌の編集と製作から発行までの事務を中心としてきました。学協会の立ち上げ、会誌を創刊するまでのサポートも行っています。

学会誌刊行センターの設立は1971年に遡ります。1973年には、文科省より財団法人として認可を受け、学協会誌編集の中心として活動してきました。2012年に内閣府から、一般財団法人として認可されたのを機会に、学協会誌の電子化と電子書籍や電子教科書の出版など、業務をさらに拡大させています。

学会誌刊行センターは、研究成果の発信をお手伝いすることを通じて、日本の学問の発展に、幅広く貢献したいと願っています。

二井 將光(ふたい まさみつ)

大阪大学名誉教授、岩手医科大学名誉教授、2012年日本学士院賞

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